自律分散型沿線都市。「働く」は、「住む」に近づく。

INTERVIEWDAISUKE KONDO

自律分散型沿線都市。
「働く」は、
「暮らす」に近づく。

近藤 大輔沿線開発事業部
開発第二グループ 田園都市3担当
2013年入社
工学研究科 建築・都市科学専攻修了
※所属は取材当時のものです

現在の仕事
東急沿線・神奈川エリアにおける
まちづくり

PROFILE

入社動機
そのまちの「あり方」を受け止めながら、大小・新旧を織り交ぜたまちづくりに取り組みたかったから

異動歴
2013年4月:研修(横浜ベイホテル東急、日吉駅)
2014年2月:住宅開発部
2018年:現職

ONE DAY

9:30
メールチェック・気になる記事のチェックや調べもの・タスク管理
10:30
チーム内各種方針確認打ち合せ
11:30
協議資料の作成・修正
12:00
昼食+移動
14:00
社外協議・打合せ
16:00
各種打合せ
17:00
資料作成

コロナ禍が加速させた、
新しいまちのあり方。

「自律分散型沿線都市」とは何でしょう。

コロナ禍が起こるまでも働き方改革が謳われてきましたが、それでもこれまでの私鉄沿線における駅・まちの捉えられ方といえば、「オフィスは都心」「住まいは郊外」でした。東急、特に田園都市線でいえば、業務拠点としての渋谷があって、そのまわりにベッドタウンがあってというイメージです。いま、この構造に変化が急速に求められていると感じます。コロナ禍で職住近接が進み、テレワークなどのライフスタイルも当たり前になってきました。こうした流れの中で、これまでは「買い物」や「住む」など「暮らす」ことが中心だった郊外に「働く」「遊ぶ」といった役割を分散させようという、この時代にマッチしたまちづくりが当社では始まっています。これを「自律分散型沿線都市」と呼び、東急の沿線まちづくりにおける考え方になっています。

コロナ禍が加速させた、新しいまちのあり方。

職住近接などのキーワードから考えると、「働く」が大切になりそうですね。

働き方の多様化で、絞り込んだ働き方のご提案をすることが難しくなりましたね。私たちにできるのは、そのまちにおける働き方をひとつに決めて提案するのではなく、沿線利用者がそれぞれのライフスタイルに合わせて「働き方を選択できる」状態をつくることだと考えています。郊外の開発でもワークスペース(=ワークスタイル)も同時に提供するなど、より個々の暮らしに寄ったまちづくりが大切になっていくのではないでしょうか。

コロナ禍が加速させた、新しいまちのあり方。

まちの文脈と、
しっかり向き合う再開発を。

現在は、主に沿線駅前の再開発に携わっているそうですね。

これまでの駅前利用はバス広場や低層の商業施設に留まっていました。老朽化の進んでいる施設もあり、一日の中のそれぞれの時間を過ごすための空間や機能が不足していると感じています。そこで、商業施設や共同住宅などの整備に併せた再開発に取り組むことになりました。全体の完成予定はまだ先なので始まったばかりです。職住近接ニーズへの対応を見据えながらアイデアの検討を行っていますが、具体化に向けては時代の変化に合わせて柔軟に対応できるように考えていきたいと思っています。設計会社さんや各種コンサル会社さんとともに、駅前にふさわしいライフスタイルを企画に落とし込むための議論を続けています。もともと東急は、まちの文脈を織り込んだ開発が得意な企業です。新しい再開発をドンとつくっておしまい、ではなく、その地域になじみながら、エリア全体を盛り上げながらのまちづくりを実現したいと考えています。

まちの文脈と、しっかり向き合う再開発を。

古い物件に新しい価値を。
時代に応える力を。

前の部署では、リノベーション事業を経験されたとか。

学生時代からリノベーションに興味があり、当時の部長には「機会があればやってみたい」と伝えていました。ちょうどいい物件がたまたま出てきて、本当に手がけることになったんです。既存のマンションを当社が購入し、共用部・専有部ともにリノベーションしたうえで分譲するプロジェクトでした。コの字型に配棟された建物で中央に広場がある特徴的な建物でしたが、駐輪場や貯水タンクが配置されていて、うまく空間を活用されているとは言えない状態でした。そこで中央の広場空間を活かすような計画に変更し、空いたところにウッドデッキやベンチ・遊歩道を設置。入居者全員が共有できる『アウトドアリビング』としました。設備的な面としてはファミリーが気にするセキュリティの最新化や給排水設備の更新といった工夫も重ねました。正直なところ「大ヒット!」とまではいかなかったものの、若年層に沿線に入ってきていただける仕掛けとしてニーズに応えられた部分もあるのかなと感じています。古いものでも、新しい価値を付加することで時代のニーズに対応できる。そんな、まちづくりのありかたにも通じる本質に触れた経験でした。

古い物件に新しい価値を。時代に応える力を。
古い物件に新しい価値を。時代に応える力を。

これから挑戦したいこと

携わったことのない、ホテルやオフィスなど異なる業態の事業にも関わってみたいですね。これまでとは違う視点やスキームを学ぶことで「不動産開発屋」としてのスキルを上げ、「近藤ならなんとかしてくれる」と言ってもらえる存在になりたい。また、商業施設を運営する側にも興味があります。いまの仕事は開発フェーズを担当しているので施設のオープンがひとつのゴールですが、開業後どういった使われ方をしているのか、運営目線で携わったうえで、さらにその経験を活かして再び開発としてのノウハウに活かしてみたいと思っています。

オフのすごし方HOLIDAY

オフのすごし方

学生時代から旅行や外に行くことが好きで、コロナ禍の少し前はドバイとアゼルバイジャンに会社の先輩と行きました。その2国は石油資源をもとに発展した経緯が同じ国ながらアゼルバイジャンは、歴史的な旧市街とよりそった開発、ドバイの都心部はまるごと新しく生まれたようなまちと、大きく違う側面があるというところを見にいきました。この2国に行った会社の先輩とは山登りに行ったりもしています。

働き方の工夫WORKSTYLE

働き方の工夫

これからの色々な働き方を考えるにおいては、自分で体感するのがいちばんだと思っています。最近ではワーケーションも実践しています。「朝温泉→漁港で朝市→始業」「名古屋に宿泊→普段より早めに始業→プロ野球観戦」など。仕事の予定との兼ね合いを考えながら、どこで働くかをあれこれ考えるのは楽しいです。

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