
THEME
まちの魅力と利便性を向上させる
渋谷アクシュ開発プロジェクト
DIVISON
# 都市開発
OUTLINE
長年、渋谷のまちの開発を担ってきた東急。渋谷駅東口エリアの歩行者ネットワークを向上させ、人々の賑わいを生み出すためにスタートした渋谷アクシュプロジェクトのメンバーの対談から、「東急のまちづくりの真髄」に迫る。
MEMBER

新卒でビル管理と営業を経験し、商業デベロッパーに転職して商業施設の企画検討に携わる。2019年に東急に入社し、渋谷アクシュプロジェクトに参画。地権者との交渉を行った。

入社後から建築技術グループに所属し、商業施設を中心とした新築・既存物件のコンストラクトマネジメント業務に従事。当プロジェクトのPMとして、施設計画検討や施工推進など技術的な業務を担当する。

※前部署:渋谷開発事業部 プロジェクト推進第二グループ
入社直後から渋谷アクシュプロジェクトに携わり、再開発組合の事務局として地権者対応を担当。現在は東急リアル・エステート・インベストメント・マネジメント社に出向し、IR業務と開示業務を行っている。
SECTION 01 プロジェクトの使命
渋谷駅東口エリアの利便性を向上させ
人々の賑わいを生み出すために
Suhara
渋谷駅東口エリアは、坂道が多く幹線道路に囲まれており、面的に移動しづらいという課題がありました。そこで、大型複合施設「渋谷アクシュ」を建設して渋谷ヒカリエ、国道歩道橋と接続し、歩行者の回遊性を高めるとともに東口エリアに賑わいを生み出すことを目指して、6社で構成する「渋谷二丁目17地区市街地再開発組合」の一員としてプロジェクトを始動させました。私はプロジェクトマネージャーとして、施設計画検討や施工推進など技術的な業務を担当しました。
Aoki
東急が土地や建物を所有していない形でのプロジェクトだったため、私は東急の立場として、当社が少しでもシェアを伸ばし、事業を拡大できるように考慮しながらも、地権者とWin-Winの関係になれるよう交渉や調整を行いました。そのほか、不動産運用事業部とのリーシングや管理運営に関する調整や物件のPR活動などに携わりました。
Kuramoto
私は再開発組合の事務局として、主に事務系の業務全般を担当しました。地権者との理事会を毎月開催したり、再開発組合の合意形成を図るために調整したりと、事務局という公平な立場で業務を遂行しました。例えば、共用部に設置するインテリア一つとっても、各社の意見は異なります。数か月単位で議論を重ね、各社が納得いく結論を出せるよう意識しました。そのほかにも、事業全体の予算やスケジュールの管理を行い、行政手続きなども対応しました。
Suhara
ステークホルダーが多くなるとどうしても無難な判断に着地しがちですが、私たちチームメンバーは「その判断が本当に将来目指すビジョンにつながっているか」を常に意識して取り組み続けました。「TSUNAGI-BA」というコンセプトを胸に、渋谷アクシュを渋谷と青山の結節点にするには何をすべきかを考え抜き、行動しました。

SECTION 02 実現ストーリー
関係者それぞれが持つ強い思いを受け止めて
より良い施設にするため議論を重ねた
Aoki
東急は地権者から管理運営を任せていただく立場だったので、東急グループの優位性を丁寧にお伝えする必要がありました。提案書の作成に半年以上、地権者との調整にも半年以上と長い時間をかけて、地権者の納得感を醸成していきました。良い施設を作りたい、渋谷のまちをより良くしていきたいという思いは、我々も地権者も共通しているので、その思いに刺さる提案ができるよう表現を工夫しました。
Kuramoto
私としては、物件名称を決めるために長い期間をかけて地権者と合意形成を行ったことが印象的です。東急の物件は広告代理店とともに物件名称を決めるケースが多く、当プロジェクトでもその形をイメージしていました。しかし、地権者の皆様のプロジェクトに対する思いが強く「自分たちで案を出して決めよう」ということに。性別と年齢層の偏りなく案を出すために、地権者や設計者、施工者、コンサル、渋谷QWSのメンバーなどから数百の名称案を募り、最終的には地権者投票によって渋谷アクシュという名称に決定しました。
Suhara
青木さんと蔵本さんのエピソードからも分かるように、地権者をはじめとするステークホルダーはそれぞれ強い思いを抱いていました。しかし、それぞれの価値観や優先事項は異なり、施設計画に「正解」は存在しないなかで合意形成を図るのには苦労しました。例えば、地権者はコストや施設の魅力を、行政は安全性を、テナントは快適性や利便性を求めるなど、立場によって思想は様々です。多様な想いを丁寧な対話を通じて拾い上げ、各ステークホルダーの視点を反映した施設計画になるよう奔走しました。そうして、当社初のZEB認証取得やシースルービジョン、エレベーターナビ、トイレ混雑対策といった先進的かつ快適・安全性を高める設備を導入し、魅力的なビル開発につながったと確信しています。

SECTION 03 プロジェクトの反響
渋谷のまちを
さらに盛り上げる第一歩となった
Kuramoto
渋谷アクシュ竣工時の反響は想像以上で、渋谷で久しぶりの大型物件竣工ということで多くのメディアに注目していただけました。新卒から関わっているプロジェクトなので、この上ない達成感を味わえましたし、プロジェクトを通じて目の前の業務をこなすだけでなく、事業を俯瞰的に見る力も養われていったと感じています。渋谷駅東口エリアは今後も開発を予定しているため、渋谷アクシュプロジェクトでエリアを盛り上げる第一歩に貢献できたことが嬉しいです。
Aoki
メディアやお客様はもちろん、地権者や社内からの反響も大きかったですね。地権者の方から「やって良かった」と言っていただけた時は感無量でした。渋谷アクシュができたことによって、東口エリアの歩行者ネットワークが飛躍的に便利になりましたし、多くの方に評価いただいています。すり鉢状の地形を持つ渋谷の回遊性を高め、より魅力的なまちにしていくために、これからも課題解決に挑戦したいと思います。
Suhara
思いを込めて設計した外構・内装・設備について、「緑が多く落ち着ける内装空間で素敵」、「くつろげる広場があり気に入っている」といったように、お客様からお褒めの言葉をいただいた瞬間が嬉しかったです。渋谷アクシュプロジェクトは試行錯誤の末、無事成功しましたが、東口エリアの開発はこれで終わりだとは思っていません。今回のプロジェクトで蓄積したノウハウを他の再開発プロジェクトにも活かし、面的な開発を強化して、今後も渋谷を盛り上げていきたいです。

SECTION 04 私たちにとっての「まちづくり」
責任あるまちづくりで社会に残る価値を創出する
Suhara
渋谷アクシュの開発で、都市の使い方そのものを設計する仕事に挑み、環境性能や都市魅力、収益性を同時に高める都市開発の実現に貢献できました。こうした面的な都市価値の創出は、鉄道や不動産、生活サービスを一体で展開する東急だからこそ可能だったと感じています。グループの総合力があるからこそ、単体施設ではなく、まち全体を見据えた戦略的なまちづくりに取り組めています。都市の未来に責任を持ち、社会に残る価値をつくるという使命のもと、これからも挑戦を続けます。
Aoki
渋谷や沿線を面的かつ濃密に開発できるのが、東急の強みだと思います。当プロジェクトも、渋谷において先人たちが培った信頼や実績があったからこそ、土地も建物も持たないなかで「東急に任せよう」と思っていただけたはずです。都市の課題解決に貢献し、新たな都市機能を提案して、責任あるまちづくりを行っていく。そうすることで信頼を獲得し、次の開発も任されるといった好循環が生まれていると思います。
Kuramoto
渋谷アクシュプロジェクトを通じて、まち全体の価値向上という視点を常に忘れず各事業に取り組む東急らしさを体感しました。建物単体の収益性はもちろんのこと、まちに必要とされているモノ・コトをきちんと提供するという目標を、チーム一丸となって共有できていました。今後は、住民が多く住む沿線のまちの開発にも携わってみたいです。そして、「住むまちを誇りに思える」まちづくりに貢献できればと思います。
